自治体の空き家への取組み
公開近年空き家が増加することによる社会問題に関して多く聞かれるようになりました。
原因は少子高齢化、相続、核家族化、過疎化などが挙げられ、またそれらが絡み合って起きています。
皆様の中でも遠く離れた実家が空き家になっていて気にはなっているのだけれど、
管理することもできないという方も、多いのではないでしょうか。
総務省統計局の平成 25 年住宅・土地統計調査によると、空き家数は 820 万戸、
空き家率(総住宅数に占める割合)は、13.5%と過去最高となっています。
管理が行き届いていない空き家も多く、防災・防犯、衛生、景観などの問題が起きたり、
資産性を損なった不動産となり活用方法が見いだせない状況を引き起こしています。
1. 国の主導による空き家対策「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」
日本の不動産登記制度では、所有者を確認するために利用する権利の登記は任意となっています。
所有者が死亡後、権利の移転を行わないまま長年経過してしまい、
だれが所有者なのかわからない状態になっている不動産があることも
問題解決の妨げの要因のひとつになっています。
国は、こうした一連の空き家問題に対して、平成26年5月に
「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」を制定しました。
この法律で定められたことは以下の点です。
- 空き家の実態調査
- 空き家の所有者へ適切な管理の指導
- 空き家の跡地についての活用促進
- 適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定することができる
- 特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令ができる
- 特定空家に対して罰金や行政代執行を行うことができる
2.続く自治体の取り組み
国に続き、各自治体でも支援策を実施するようになってきました。
平成30年10月1日の時点では、全市区町村の約半数(49%)、848団体が空家等対策計画を策定しており、
平成30年度末には更に増えて6割を超える見込みです。(国土交通省報道発表資料より)
都道府県別にみると平成29年度末時点で空家等対策計画が策定済みとなっているのは、
高知県が全市町村で100%、富山県93.3%、広島県82.6%の順に割合が高くなっています。
また、平成30年度末には、愛媛県、大分県で100%に達する見込みとなっています。
具体的にどんな対策を策定しているのかという点では、
国土交通省が行っている「先駆的空き家モデル事業」が参考になるかもしれません。
この事業に選定されると、国から費用の一部が補助されます。
また、事業の成果は公表され、他の団体への展開が期待できます。
平成29年度の事業成果を見ると、事業内容は大きく4種類に分類されます。
1.空き家の発生防止
2.空き家に関する相談事例の収集、体制の構築
3.空き家の利活用・流通促進
4.空き家に関する情報共有
選定された事業の中には、自治体が主体者となり取り組んでいるものがいくつかあります。
この場合、主体者は自治体ですが、金融機関、地元の民間企業、社団法人やNPO団体など、
事業内容に合わせて多様な連携先と協業をしています。
「空き家なう」では、こうした自治体の取り組みを紹介していきます。
楽しみにしてください。
【参考サイト】
「co-living多拠点居住サービスという空き家活用方法」空き家の教科書
「“荒れ放題の空き家”がそのままになる理由」PRESIDENT Online
「平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」総務省 統計局
「空き家等の現状について」国土交通省
「全市区町村の約半数で、空家等対策計画を策定~空き家対策に取り組む市区町村の状況について~」国土交通省
「先駆的空き家対策モデル事業」国土交通省
「平成29年度の先駆的空き家対策モデル事業成果が出揃ったので、見てみた」空き家の教科書
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