空き家と廃墟の違いとは?

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空き家も廃墟も「人が住んでいない」で共通していますが、明確な違いはあるのでしょうか?

「空き家」の意味

「空き家」とは、生活する人がいない、暮らしが営まれていない家のことです。

ビルのような大きなものを指して使用することは少なく、主に人が生活するための家のことを指し、これには別荘も含みます。

旅行のときには、その家の住民がいなくなります。長いときでは、1か月ほど旅行することもありますが、このような留守番状態は指しません。「空き家」は、住んでいた人が出て行ってしまい、現在誰も人が戻ってくることがない家のことを指しています。所有者の有無は関係なく、生活をする人がいなければ「空き家」です。

家の権利を持っている人が存在しているけれど、「空き家」となる理由としては、所有者が高齢者で現在は老人ホームなどに入居しており、住まなくなってしまった、所有者が亡くなって遺族が相続をしたけれど、何も手をつけずにいるなどがあります。

「廃墟」の意味

「廃墟」とは、建物や商店・人家などがあった場所が荒れ果てた跡のことです。どれくらいの荒れ具合なのかという具体的な定義はありません。

「廃墟」で意味する建物とは、人が住むための生活のためのもの、倉庫のような物を入れるためのもの、仕事をするための、大きなビルや工場のようなものなどです。

建物における「廃墟」とは、すぐに住めるようなきれいな状態のことではなく、人が住めないような状態になっているものを指します。たとえば、ツタが絡まって中に入ることが難しい、窓ガラスが割れている、屋根が壊れている、壁が剥がれているといった状態です。

商店や人家があった場所については、もう人が住んでいない、商店が営業されていない、人の気配がないといった状態のことを指します。たとえば、駅が使われておらず植物が茂っている、道路だった場所が川になってしまったといった状態です。また、ホテルやテーマパークでは、侵入者によってさらに荒された状態を指します。

「廃墟」は、そのまま放置されてしまうこともあれば、再利用されることもあります。再利用されているものの例としては、広島・原爆ドームやイタリア南部のマテーラという街で、世界遺産となっています。

空き家から廃墟へ

何も対策をとらなければ、日本の地方都市や多くの郊外には膨大な「空き家」が生じ、更には「廃墟」が出現することになると予想されます。

2004年をピークに日本の人口は急激に減り始め、2050年には9,500万人を割り込むと想定されるためです。

また、物流にも決定的な変化が訪れようとしています。

2010年、インターネットの通信販売の売上高が百貨店等の小売の売上高を上回りました。そのため、今後、郊外にあったショッピングセンターなどはかなりの数が消滅し始めると予想されます。郊外は人が集まる中心地を失うことになり、その周辺に住む理由は希薄になるため、需要は低下し、その価値は落ち、やがて住人がいなくなり「空き家」が増え、さらには「廃墟」へと向かうと予想されます。

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