古民家カフェ、古民家ホテルから農業体験まで

公開


空き家の活用プランには、古さを逆手に取り、
建物に付加価値をつけた事業を展開する事例が多くみられます。

今回は、滋賀県大津市の古民家を改装したカフェ
「MOV’S(town&coffee/モブズ タウンアンドコーヒー)」、
江戸風情の街並みを生かした千葉県香取市の「佐原商家町ホテル」、
茨城県常陸太田市の「里美古民家の宿 荒蒔邸」をご紹介します。

1.木賃宿をリノベーションした古民家カフェ


2019年2月にオープンしたばかりの、滋賀県大津市の古民家カフェ
MOV’S(town&coffee/モブズ タウンアンドコーヒー)は、
古民家とチェアなど店内に使われている北欧テイストのインテリアが融合し、
おしゃれ感度の高い女性に受けそうなコーヒー店です。


もともと、東海道五十三次の宿場町の面影を残す木賃宿(きちんやど)は、
旅人が素泊まりするための簡素な宿でしたが、
2016年に、地元の工務店であるMOVTOWN(モブタウン)が、
地域のコミュニティースペースとして改修を手がけ、古民家カフェへと再生させました。

MOVTOWNは、地元の工務店として空き家や空き地の管理、活用を提案しています。
大津の街の魅力を語る場として、ホッと一息くつろぐことのできる
古民家カフェを開設しました。

工法も、木賃宿だった古民家に、大正時代の建築物の風情を組み合わせた
手法が評価され、2018年のグッドデザイン賞を受賞しました。

また、古民家という建物の魅力以外にも
「アドバンスド・コーヒーマイスター」が生豆を厳選し、
焙煎を手がけたおいしいコーヒーが楽しめるという点も話題となり、
空き家活用のひとつの好例といえます。

2.江戸の古民家ホテルに泊まる


古い町並みに点在する空き家を使った地域モデルをもうひとつ紹介します。

2018年3月に誕生した、築100年を越える商家を利用した
佐原商家町ホテル NIPPONIA(千葉県香取市)です。

江戸優りと呼ばれ、日本地図を作った伊能忠敬と縁のある佐原は、
江戸の風情が残る街並みで有名です。

歴史的な町並み全体をひとつのホテルと見立て、歴史ある空間で過ごすことで、
江戸にタイムスリップしたかのような感覚で、非日常な体験ができると
旅行番組などで取り上げられ、若い女性たちを中心に話題になりました。

一般社団法人がプロデュースするNIPPONIAのサイトには、
歴史ある各地のリノベーションした古民家が掲載されていて、
旅情を刺激し、観光の後押しをしています。

古民家ホテルは、日本の文化や歴史を知ってもらう意味でも、
外国人向けの旅行ガイドの役割も果たしています。

3.空き家で農業体験~常陸大田市の荒蒔邸の例

つぎに、農村でのグリーン・ツーリズム(自然、文化、人々と交流を楽しむ
滞在型の余暇活動)の人気を背景に、地方でしか得られない体験を求める
人たちを受け入れる施設へと改築した例をご紹介します。

茨城県常陸太田市にある里美 古民家の宿 荒蒔邸は、
NPO法人が空き家を貸し別荘型の農家民宿として再生させ、話題になりました。

空き家物件は、築約150年の80坪の平屋建て、囲炉裏端やかまどのある
昔ながらの日本家屋で、個人でリフォームするにはなかなか扱えない空き家ですが、
農業体験を楽しみたい人たちの願望を受けて、新しく生まれ変わりました。

荒蒔邸は会員制になっていて、会費は年間10,000円、一泊1名3,000円と
なっていて、1日1組限定で4名からのグループ利用になっています。

好きな仲間たちと気兼ねなく農業体験や地元・茨城の地産地食の
おいしい食材が食べられるなど、年間300~400人ほどの利用があり、
人気の施設になっています。

以上、今回は古民家を復活させた3つの活用事例を紹介しました。

空き家なうでは、今後も全国のユニークな空き家活用の好例を紹介していきます。
どうぞご期待ください!

【参考サイト】
大津の商店街に古民家×北欧のレトロモダンなカフェがオープン」るるぶ&MORE


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