町内会からの退会は任意だが、デメリットも考えて
公開相続した空き家のある町内会(自治会)から「町内会費を払って欲しい」との通知が届いたが、住んでいないのに払う必要があるのだろうか?・・空き家問題ではよく登場するテーマで、どう対応すればいいのか、所有者にとっては悩ましい問題です。
1. 自治体のアンケート調査
町内会費には、年会費に加えて臨時に徴収される寄付や分担金などがありますが、年会費はごく少額なのが一般的です。
少し古いデータですが、京都市が2012年(平成24年)に6,590件(回答率56.5%)を対象に行ったアンケートによると、月額「301~500円」が一番多くて44.2%、次いで「101~300円」が29.8%、最も高額な「2001円以上」は1.2%でした。
2018年(平成30年)の同調査によると、推計加入率は67.7%。2012年には69.8%だったので、わずかずつですが漸減する傾向にあります。
課題として「空き家が増加するなど住んでいる人が減ってきている」を挙げる割合が19.3%あります。
横浜市が2020年(令和2年)に実施した調査でも加入率は71.2%で、やはり漸減傾向にあるそうです。
2. 法的には?
結論から言うと、法的には町内会は任意団体なので会費の支払義務はありません。
2005年4月の最高裁判例では、自治会は「権利能力のない社団で、強制加入団体ではない。
退会の申し入れにより会費の支払い義務は負わない」としています。
しかし、住んでいないとはいえ空き家を所有していると、町内会との間にはさまざまなしがらみが発生し、それに絡むトラブルも起こりうるので、払っているケースの多いのが現実です。
その空き家に将来住む可能性がある場合はなおさらです。
3. ゴミ出しをめぐる裁判
町内会費をめぐる裁判の例は、空き家に限ったことではありませんが、たくさんあります。
滋賀県甲賀市の自治会で「自治会の脱退者、会費未納者にはゴミステーションを使わせない」との決議がされ、これを不服とする住民が提訴。
2008年4月、最高裁が「会員の脱退の自由は事実上制限されている。
強制は社会的に許容される限度を超える」として、自治会側の上告を棄却、違法行為が確定しました。
4 . マンションの場合
マンションでは、管理費と自治会費が一緒に徴収されることが珍しくはありません。
ところが、これを巡って起きた紛争で2007年8月、東京簡裁が「町内会費の徴収は共有財産の管理に関する事項ではなく、区分所有法第3条の目的外の事項である。
管理組合が定めても拘束力はない」との判決が出ています。
また、「マンション標準管理規約」にからむ国土交通省のコメントでも「居住者が各自の判断で自治会・町内会等に加入する場合に支払うことになる自治会費・町内会費等は地域コミュニティの維持・育成のため居住者が任意に負担するものであり、マンションという共有財産を維持・管理していくための管理費とは別のものである」とされています。
マンションにも分譲と賃貸という二通りの形態があり、所有者には管理組合への加入義務があります。
賃貸で住む人は管理組合には入れませんが、自治会には任意で入れます。
5 . まとめ
町内会に入るのは任意となると、加入はメリットとデメリットを考えて決めるということになります。
まずデメリットですが、少額とはいえ町内会費というコストがかります。
そして、ゴミ出し当番や町内会の役員が輪番で回ってきて時間を取られます。
空き家の所有者が遠隔地に住んでいる場合は、まず無理です。
一方、メリットは町内会を通じて行政の情報が入ってくること、ご近所の住民を通じて防犯面で気配りをしてもらえるなどが挙げられます。
町内会に入っていたら遠くに住んでいるという事情も酌んでもらうことができます。
空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。
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