空き家を放置せず賃貸にしよう

公開

2015年の相続税制の改正。

基礎控除が従来の「5000万円+1000万円×相続人数」から「3000万円+600万円×相続人数」に引き下げられました。


1.相続税制の改正


相続税制改正を機に節税対策として賃貸住宅が注目され、国土交通省調べの新設住宅着工戸数によると、
2015年に39万戸だった借家系着工戸数は2016年に43万3000戸、2017年41万6000戸と増えています。

2018年になって少し落ち着きましたが、大手住宅メーカーなどによる賃貸住宅の売り込み合戦は熱を帯びています。


2.空き家を賃貸にするメリット


空き家を放置したままにせず活用して賃貸住宅にした場合、どんなメリットがあるのでしょうか。

まず人が住み続けることにより空き家特有の老朽化にブレーキをかけられます。
親から相続した家を手放したくないけれども自分は住めない場合の選択肢としてはおすすめの一つです。

そして同時に安定した収入として賃料が期待できます。
当然ですが、賃料収入から固定資産税や損害保険料などの必要経費を差し引いて申告納税する必要があります。

相続した実家が空き家の場合、相続税評価額の減額は適用されませんが、
人が住んでいる場合「小規模宅地等の特例」により330㎡までの宅地の評価額は大幅に減額されます。

賃貸住宅の場合も同様で、相続の3年以上前から賃貸住宅にしている場合、貸家建付地として評価額減額の恩恵があります。
ただし、この「3年以上」の条件は2018年4月1日の法改正より以前の賃貸住宅には関係ありません。

賃貸住宅の税制上のメリットは相続時だけではありません。
固定資産税にも「課税標準額の特例」として大きく影響してきます。

現在、1世帯あたり200㎡までの敷地は小規模住宅用地として固定資産税は6分の1に減額されています。
300㎡の敷地では200㎡を超える100㎡分は特例から除外されるのです。
ところが、同じ敷地内に自宅1世帯に加えて賃貸1世帯がある場合、特例の対象は200㎡×2=400㎡までOKなのです。

空き家をリフォームして戸建て賃貸にしたり、賃貸住宅に建て替える場合、どれくらい評価額が減額されるかは、
様々なケースがあるので「これだ」と示すのはなかなか難しいのですが、セキスイハイムの積水化学工業が2013年9月に発行し、
2019年7月に民法改正・改訂版が発行された「大切な人へ相続する本」で紹介されているシミュレーションを一例紹介しましょう。

【アパート建築による相続税評価額】
・Before 現金5000万円 未使用土地5000万円 計1億円
↓       ↓        ↓
 建築     更地活用
・After  建物1750万円 土地4100万円   計5850万円
(注1)   (注2)
(注1)[固定資産税評価額5000万円×50%]×[借地権割合100%-30%]
(注2)[相続税評価額5000万円]×[借地権割合×借家権割合100%-60%×30%]

現金の5000万円が賃貸アパートに替わったことで評価額が1750万円に、土地の評価額も5000万円から4100万円に圧縮されたため、
合計で1億円が5850万円に圧縮されることになりました。


3.まとめ

賃貸住宅のメリットの一端を紹介しましたが、もちろんリスクもあります。
まず収入減に直結する空き室と家賃の下落。

借入金があると金利変動によるマイナスもあります。
老朽化に伴う修繕費などの維持管理費は、一括借り上げの場合でも発生します。メリットとデメリットを十分検討することが大切です。

もう一つ忘れてならないのは、相続の場合、それが現実のものになってからでは遅いということです。

早めに専門家に相談して、しっかり計画を立てて進めましょう。



空き家なうでは今後も空き家に関する体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。







Sohos-Styleで空き時間にお仕事しませんか?

Sohos-Styleでは、様々なお仕事を募集しています!
空いている時間にお小遣い稼ぎをしませんか?

●入力作業
在宅で気軽に入力作業。
毎日入ってくるチラシなどの情報を入力したり、入力された情報は全国様々なシーンに利用されます。

●現地調査
いつも使っている駅やガソリンスタンドなど、街のあらゆるもの・その地域ならではのものを調査します。
クチコミも調査の対象です。

●軽作業業務
季節スポット(桜、イルミネーション、花火など)の写真撮影など、簡単なお仕事です。
ちょっとお出かけのついでにできるお仕事です。

登録はコチラ
http://www.sohos-style.jp/


あわせて読みたい