長野県佐久市の空き家バンクの成功例
公開空き家を有効活用する手段の1つとして、多くの自治体が「空き家バンク」を運営しています。
自治体が、住民から空き家の登録を募り、ウェブサイト上で物件の情報を公開し、
購入者や賃借人を探すシステムです。
空き家バンクを導入する自治体は多く、2017年には763の自治体が設置しています。
(国土交通省「地方公共団体における空家等対策に関する取組状況について」より)
ただし、登録物件数や成約件数は空き家バンクによって差が大きいのが実情で、
2014年の時点では、開設からの
累計成約件数が10件に満たないものが、約半数に達するということです。
(一般社団法人移住・交流推進機構「『空き家バンク』を活用した移住・
交流促進事業 自治体調査報告書」より)
また、各年度の成約件数が「0件」という空き家バンクも2~3割程度あるということです。
そのような中で、成功を収めている空き家バンクがあります。
長野県佐久市の空き家バンクです。
佐久市の空き家バンクは、2008年にスタートしてから、
実に400件以上の成約を実現しました。
今回は、そんな佐久市の空き家バンクの特徴をご紹介します。
1.利用方法の流れ
同市の空き家バンクのサイト内では、各種申請の方法や利用方法の流れを
イラスト付きで分かりやすく説明しています。
「空き家バンク」の登録方法、空き家の借りる場合・貸す場合の申請書類等が
イラストを含めた流れで紹介され、初めて空き家の利活用に関心を持った人にも
わかりやすく案内しています。
2.移住・就職相談会窓口in東京
空き家の有力な利用者と考えられている、東京からの移住を考える人向けにも
東京有楽町での相談窓口を設置しています。
これにより、東京に勤めるサラリーマンや都内に住む主婦などでも、
気軽にふらりと移住に関する相談を受けることができます。
3.移住者インタビュー
実際に佐久市に移住した住民の方を紹介しているインタビューです。
佐久市の魅力や、移住のきっかけなどを紹介し、移住を考えている人の後押しをする内容になっています。
4.お気軽ミニツアー
自身も移住者である「移住交流相談員」が、佐久市内の主要な居住地をめぐり、
移住先のポイントを案内します。
森派、里山派、街派など、移住者の好みに合わせた暮らし方を紹介し、
田舎暮らしの魅力を紹介しています。
同ツアーは、土日・平日と定期的に開催されていますが、
どのツアーも定員に達するなど好評を得ているようです。
5.移住体験住宅
佐久市へ移住を検討している人を対象に、短期滞在ができる施設も整備しています。
エリアも、「まちなか(街中)」エリア、「さとやま(里山)」エリアと、
移住検討者の好みに合わせて用意しています。
6.まとめ
空き家バンクを活性化させるためには、自発的な空き家登録を待つだけでなく、
不動産業者、NPO、地域の住民等と連携して積極的に物件情報を収集したり、
いざ問い合わせがあった際に物件案内だけでなく、生活面や仕事面のフォローをする、
その地域に定住できるための工夫が不可欠のようです。
契約数全国1位の佐久市の空き家バンクでは、こうした移住に向けてのハードルを
低くするための施策を積極的に行っており、活性化に悩む全国の空き家バンクの
参考になるのではないでしょうか。
もちろん、こうした細やかなサービスは、自治体職員だけでは対応することは難しいため、
不動産事業者などの民間企業や、NPO、地域住民との協力が必要です。
さまざまな地域の関係者が協力してこそ、地域活性化に繋がる空き家対策となるのでしょう。
空き家なうでは、今後も地域の優良例となる空き家対策をご紹介していく予定です。
ご期待ください!
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