持っているだけで税金がかかる空き家~自治体や国への寄付制度は?

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親から家や土地を相続したものの、住む予定はない。
売りたいけれど売れない。こんな空き家にも固定資産税や修繕費などの費用負担が生じます。
地方自治体の中には空き家の寄付制度を設けているところもありますが、ハードルは高いのが現実です。
そんな中、相続によって取得した土地の所有権を国に“寄付”できる「相続土地国庫帰属法」が創設されることになりました。


1. 寄附制度を設けている自治体はあるが、条件は厳しい

兵庫県尼崎市は「空家等寄付受け事業」というズバリ寄付の名称を付けた制度を設けています。
尼崎市内の空き家などの所有者から寄付を受け入れ、市で処分することで老朽化した空き家を減らし、安全・安心な生活環境の保全と良好な街並みを形成することが目的です。

しかし、その条件はかなり厳しいものです。

通信・放送用の衛星には、スマホやテレビなどで毎日お世話になっていますし、測位用は車のナビで使うGPS(全地球測位システム)でお馴染みです。

建物については;

(1) 木造または軽量鉄骨造であること。

(2) 特定空家等または昭和56年5月31日以前に建築された住宅等で耐震改修工事を行っていない空家等であること。

(3) 長屋または共同住宅の一部でないこと。

土地については;

(1) 狭小地でないこと。

(2) 不整形地でないこと。

(3) 都市計画法に規定する工業専用地域の土地でないこと。

(4) 寄付後に災害防止等の措置が必要な土地でないこと。

(5) 隣接する土地との境界が確定されており、正確な面積を把握している土地であること。

(6) 建築基準法上の道路に有効に接している土地であること。

(7) 電気、上下水道のインフラを容易に利用できる土地であること。

(8) 隣地の所有物等が横断し、または越境していない土地であること。

こうした条件をクリアしたうえで、膨大な手続き書類を提出しなければなりません。

大阪府泉佐野市も特定空家等対策事業の一環として寄付を受ける制度を設けています。

空家等対策特別措置法に基づく特定空家等に指定された空家などのうち、所有者が解体費用を負担する資金的能力がないと認められるなど、一定の条件を満たす場合に、土地建物の寄付を市が受けて市が建物を除却する制度です。


2. 移住促進などに活用する寄付制度も

石川県能美市は、所有者から空き家を寄付で譲り受け、第三者に売却する制度を2021年度に始めました。
同市は人口減少対策として移住定住の促進に力を入れていますが、宅地整備に適した土地は限られるため、空き家を新たな資源として生かすことにしたものです。

青森県東通村では、移住促進策として持ち主から空き家の寄付を受け、移住希望者に無償で住んでもらう制度を2022年度から始めます。
寄付を受けた空き家を村有財産にして、希望者に無償で住んでもらうために提供します。

対象は村外からの移住希望者で、住める期間は5年単位。
何度でも更新できるため、家賃や住宅ローンの心配をせずに暮らせます。
リフォームも自由にでき、退居時に原状回復をする必要もありません。


3. 相続土地国家帰属法とは?

2021年4月に「相続等により取得した土地所有権の国庫帰属に関する法律」略して「相続土地国庫帰属法」が成立しました。
九州に匹敵するほどの面積があるといわれる所有者不明土地の発生を予防する目的で創設された法律で、2023年に施行されます。

これまでも土地の相続を放棄することはできましたが、土地を含めた全財産を放棄する必要がありました。
新しい法律は寄付という言葉こそ使っていませんが、相続により望まない土地を取得した所有者の負担感を減らすのが目的の制度です。

ただ、管理費の国への転嫁や土地の管理をおろそかにするモラルハザードが発生する恐れを考慮して、以下のような土地に該当しないという要件が定められています。

 (1) 建物や通常の管理または処分を阻害する工作物などがある土地

 (2) 土地汚染や埋設物がある土地

 (3) 崖がある土地

 (4) 権利関係に争いがある土地

 (5) 担保権などが設定されている土地

 (6) 通路など他人によって使用される土地

手続きのイメージは;

(1) 承認申請

(2) 法務大臣による要件審査・承認

(3) 申請者が10年分の土地管理費相当額の負担金を納付

(4) 国庫帰属

法務省の資料によると、国有地の標準的な管理費用(10年分)は、原野で約20万円、市街地の宅地(200㎡)で約80万円。
国庫に寄付するのもハードルは低くはありません。

空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。

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