空き家をレストラン・カフェとして活用する

公開 2022年5月18日

レストランやカフェなどの飲食店は、空き家活用方法として、魅力的なアイデアです。
旅館業などと比べて各種規制のハードルが低く、開業資金も少なく抑えられる点がポイントであり、個性を活かしやすく、自分の嗜好をビジネスに活かすことができる点も魅力です。
空き家をレストランやカフェに活用する事例はインターネットでも多く紹介されています。

1．古民家をカフェに転用

空き家となっている古民家を改装し、カフェ店舗にリフォームした事例です。
もともとは築120年もの歴史ある古民家でしたが、オーナーさんの意向によりカフェとして転用することを決め、歴史を感じさせる柱や梁などをそのまま使用し、その趣にあわせて照明や内装をおこない、天然木材や畳を多用した「和カフェ」へと改装しました。

地域性を活かしたコンセプトで統一することで、来店者は店舗を見ただけで店内の様子をイメージできるようで、温かみのあるサービスとマッチして人気を博しています。

2．空き家が古民家レストランとして再生

オーナーさんの息子さんが空き家を取り巻く状況について知ったことがきっかけとなり、古民家がイタリアンレストランとして住宅街に再生できた事例です。

この息子さんによると、まちなかの物件を買いたい、借りたい、という人たちは増えているのにもかかわらず、案外と空き家が流通していない事実を知ったことからでした。

まずは自分たちの空き家も必要な人に使ってもらいたい、と不動産業者に持ちかけたところ、その不動産業者は、古民家でレストラン開業を目指す方に物件を紹介し、古民家レストランとして開業に漕ぎ着けています。

3．空き家をカフェ兼住宅に

幹線道路沿いに建つ好立地の空き家をカフェ兼住宅に改装した事例です。

元々は純粋な空き家住宅でしたが、「カフェ兼住宅として営みたい」というオーナーさんご夫婦の意向により全面改修しています。

全室をリフォームするだけでなく、敷地構造にも手を加えることで、交差点のどちらからも入れるように駐車スペースを広角に確保しました。

また、耐震構造を考慮した設計により、木造でありながら間仕切りナシ＋30人の収容スペースを実現しました。

採光窓や仕切りの高さを徹底分析し、スポットライトやダウンライトを駆使することで、昼と夜でまるで異なる表情を演出できるようにしています。

4．地域全体で空き家を活用するプロジェクト

町全体で空き家を活用しようとする動きも見られます。

大阪市城東区蒲生四丁目では、古民家を様々な飲食店のお店に変えていくという「がもよん」にぎわいプロジェクトが進んでいます。
空き家がこの地域では、半径2kmぐらいの範囲で次々と飲食店として生まれ変わっています。
これまでに、イタリアン・レストラン、ハンバーグ・レストラン、九州産の食材を使ったレストラン、海の幸のお店、カフェ&バー、ケーキショップ、韓国料理、カフェ、炭火焼鳥屋、ピザ屋、ハーブティーとアロマ店、肉居酒屋、沖縄料理店、パン屋が開業しています。

長崎県東彼杵町千綿地区においても、「東彼杵ひとこともの公社」が中心となって、古民家や空き店舗をリノベーションし、カフェやレストランが開業しています。カフェ、レストランは、3年余りで13軒を数えます。

多くは町外からの移住者が経営しており、地域の資産を「外」からの視点で活用したまちづくりが進んでいます。