古民家の定義とは?

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昔ながらの風情を色濃く残す「古民家」。

日本の伝統的な建築工法を用いた建築物というイメージはありますが、古民家に定義はあるのでしょうか。

そこで今回は、古民家の定義や魅力について、みていきたいと思います。

古民家の定義とは

古民家とはその名のとおり「古い民家」ですが、実は古民家に明確な定義はありません。

建造物に関しては、文化財建造物を守り、地域の資産として活かすため国の制度として、平成8年に誕生した「文化財登録制度」があります。

なかでも「登録有形文化財建造物」は、50年を経過した歴史的建造物のうち、一定評価を得たものを文化財として登録し、届出制によって保存が図られ、活用が促されているもので、すでに10,000件を超える建造物が登録されています。

このことから目安として、一般的に築50年以上経った民家が古民家とされています。

古民家の魅力とは

1.良質で丈夫
古民家の魅力は、その長い年数だけではありません。
古民家にはケヤキやサクラ、栗、ヒノキなど、その地で採れた良質の木材が建築に使われてきました。
古材は長い時間をかけ、自然乾燥をすることで強度を増していきます。
たとえば、樹齢100年のヒノキの場合、伐採されてから100年後が最も引っ張り強度や圧縮強度が増します。
実は自然乾燥された「古材」は、「新材」より丈夫で、古民家はその良質な木材が贅沢に使われた、耐久年数の長い住宅なのです。

2. 経年変化で深まる味わい
古民家は、燻された黒ずみ、経年変化による傷など、古材の味わい深さも魅力です。
また、伝統的な工法と素材が見事に調和し、大工さんの匠の技が息づく空間は、新しい住宅にはない風情が感じられます。

古民家を再生し、新たな価値を

近年では、古民家を解体するのではなく、魅力を再認識する動きも見られています。

新たな住宅としてリフォームするほか、カフェやゲストハウス、アートスペースなどに再活用することで、古民家に新たな価値を生み出し、地域活性化の実現につなげています。

環境面でいえば、古民家を解体することになっても、古材を再活用することで、新築時に伐採される木材を減らすことができます。

いまの新築住宅が50年後に古民家となっても、また再活用されていく。

このように、環境に寄り添った持続可能な社会の実現を目指し、私たちは古民家の魅力を次世代へ受け継いでいきたいものです。

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