奥が深い空き家の定義とは?
公開広辞苑などの辞書には「人の住んでいない家」が「空き家」と掲載され、私たちも日常的には「空き家」と書いていますが、法律の名前や条文には通常「空家」や「空家等」という表現が使われ、行政が発表する文書には「空き家」という表現も使われています。
「空き家とは?」を考えると、追究すればするほど、その奥の深さを思い知らされます。
1. 空き家の定義
総務省行政評価局が2019年に発表した「空き家対策に関する実態調査」の結果報告書の中に「空き家の定義」と題したコラムがあります。
下記の表「『空家等』等の定義」はこのコラムで紹介されているもので、空家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)に基づく「空家等」「特定空家等」、総務省統計局が5年ごとに実施している住宅・土地統計調査に出てくる「空き家」「その他の住宅」の定義の内容を整理したものです。
行政の使う定義には、所管の違いだけでも、これだけ内容に違いがあるのです。
2. 空家特措法による定義
空き家の定義の中で最も引用されるのは、特措法第2条第1項にある「空家等」です。
「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
この定義の肝と言える部分は「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの」で、国交省の指針(ガイドライン)では次のように説明されています。
➀1年以上つかわれていない、人が住んでない
➁人の出入りがない
➂電気、ガス、水道が使われていない
➃適切な管理が行われていない--など
3. 住宅・土地統計調査にみる空き家
「全国の空き家は間もなく1,000万戸を突破する」などと話題になる数字は、総務省の住宅・土地統計調査を基に民間の調査機関などが推計しているものです。
この調査は空き家だけを対象にしたものではなく、住宅の総数を下記の表「空き家の分類」のように定義しています。
空き家の捉え方が特措法とはかなり異なっているのがわかりますね。特措法で問題になる空き家は、統計調査の分類では主に「その他の住宅」に含まれています。
4 . 共同住宅の空き家
マンションや長屋などの共同住宅には空き家ならぬ空き室がつきものです。
ところが、冒頭に紹介した「『空家等』等の定義」で見てもわかるように、空家特措法では共同住宅の空き室は空き家とは見なされません。
全戸が空き室にならないと空き家にはならないのです。
これでは老朽化して倒壊の危険があっても、手が出せないという困った事態もありえます。
特措法に基づく「特定空家等」に指定して解体などの行政代執行を行うこともできません。
そこで、建築基準法、消防法、道路法、災害救助法、廃棄物処理法など他の法律を駆使して対応するケースも出てきます。
5. 邸宅=空き家
本筋からは少し脱線しますが、刑法第130条に次のような規定があります。
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらず、これらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する」
一般に住居侵入罪といわれる罪ですね。
ところが、この法律の「人の看守する邸宅」は別荘や空き家のことを言うのです。
ですから、空き家に断りなく侵入すると、刑法では邸宅侵入罪になるわけです。
空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。
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