空き家における類焼損害

空き家は増え続けており、2019年現在で846万件、2033年には2,000万件を超えると予想されています。

そのため、空き家を火災から守ることは治安の面からも重要な課題となっていくと思われますが、普段生活をしている自宅と違い、住んでいない家や空き地は管理がなかなか行き届きにくいものです。


1. 出火原因の第1位は「放火」

消防庁の調べ(2012年1月~12月)によると、日本全国の総出火件数は44,102件、出火原因の1位は「放火」で、年間5,340件で、これに「放火の疑い」を合わせると8,524件となり、総出火数の約19,3%にもなります。

ところで、空き家は、「放火」の対象となりやすいように思われます。

このコロナ禍の中、ワーケーションに最も注目しているのは、リゾートホテルや宿泊施設ではないかと思います。

空き家は、人気がないために、人の目が届かないと思われがちであり、建物周辺、建物内に生活用品やゴミ、木くずや紙くずのような燃えやすいものが置かれやすい傾向にあるためです。

したがって、空き家を放火から防ぐ対策は大事であり、

1) 不審者の侵入を防ぐため、敷地周辺をフェンス等で周囲を囲む、
2) 木くずや紙くず等の燃えやすいものは、置かない(放置しない)ようにする、
3) ガスや電気は遮断し、危険物(灯油等)は置かないようにする、
4) 夜間、建物周辺を照明で明るくする、
5) 管理者を明示して管理されていることをアピールする、
6) 付近住民と連絡を取り合い、協力して放火に対して目を光らせる、

などの対策をとるようにします。


2. 放火でも空き家の持ち主に賠償責任はかかる?

「失火責任法」は「民法709条の損害賠償」と「失火」の関係性を示した条文で、要約すると「失火者に重大な過失がある場合を除いて、民法709条を適用しない」という内容です。

放火は失火に含まれ「失火責任法」の適用範囲となります。

但し、空き家の場合は管理が行き届いていないと”重大な過失”にあたると見なされる場合があり、その場合、民法709条に基づき損害賠償責任が問われます。


3. 空き家と火災保険

「失火責任法」があることを考えると、空き家に限らず、自分の生活を守るためにも火災保険に加入しておくことは大事です。

隣家から類焼損害を受けても、重大な過失はなく「失火責任法」が適用される場合は、隣家からの損害賠償は期待できないからです。

また、逆に自分の所有している空き家から出火した場合にも、重過失や故意がない場合は失火責任法が適用され、隣家に類焼しても損害を補償する義務はありませんが、道義的な責任はどうしても残ります。

こうした場合にも火災保険は役に立つ場合があります。

空き家は火災保険上“特殊な位置づけ”になります。

定期的に管理をされているのか、一時的に空き家になるだけ(長期出張や別荘等)なのかで加入の可否が変わるケースもあります。


4 . 保険種別

【火災保険をかける際の物件種別】
専用住宅物件・・・住むための建物のこと。例)マンションの一室や戸建て
併用住宅物件・・・住宅に店舗や事務所が併設されている建物のこと。
一般物件・・・・・店舗や事務所などの建物のこと。

保険料は、専用住宅<併用住宅<一般物件の順で高くなるので、住宅物件とみなされるかどうかで保険料は大きく変わります。

ただし、みなしてくれるかどうかは保険会社次第です。

別荘はOKな会社や家財等が揃っているかどうかが鍵になるケース、別荘自体がNGなど様々なので、必ず問い合わせることが重要です。

また、火災保険の保険料は「補償の範囲(対象)」「補償金額」「保険期間」で決まります。

さらに、水害・台風・雹(ひょう)などの自然災害、盗難・家財補償(家具・家電・洋服等)を対象としている保険もあります。


5. 「失火見舞費用保険金」と「類焼損害補償特約」とは?

火災保険には、類焼させてしまった隣家へ賠償に適用される「失火見舞費用保険金」、「類焼損害補償特約」があります。

「失火見舞費用保険金」とは、自分自身が出した火事により隣家(建物や家財)に類焼被害を与えてしまった場合、“見舞金”等を支払うための保険金です。

おおよその保険金額は、1世帯当たり30万円(保険金額の30%が限度)となります。

「類焼損害補償特約」とは、類焼先の隣家が火災保険に未加入だったり、加入していてもその火災保険だけでは損害をカバーしきれないときに支払われる保険です。


6. まとめ

空き家は増加の一途であり、火災などから空き家を守っていくことは大事です。

出火の原因は、「放火」や「放火の疑い」が全体の2割を占めることを考えると、空き家をきちんと管理し、監視を十分にするなどの対策を行うことが望まれます。

類焼して損害が生じた場合には、『失火責任法』に基づき、民法709条に基づく損害賠償責任は適用されない場合があり、火災保険に加入して、類焼損害に備えましょう。

空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。

●空き家オーナー様必見!空き家見廻り隊●

空き家を持っているが、場所が遠くてどうなっているか心配。
実家を相続したが、草ボーボーだとご近所の目が…
無人の実家の郵便受けがいっぱいだと、放火されそうで怖い。
など空き家の所有者として心配事はたくさんあります。

そんな悩みの解決にナビットの「空家見廻り隊」をご利用ください!

詳しくはコチラ

あわせて読みたい