進む持ち主の不明土地・空き家への対策

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「所有者不明の土地は九州本島の面積に匹敵する410万ha。新たな取り組みが進まない場合、
2040年の不明土地はほぼ北海道本島に相当する720万haに達する」~こんな衝撃的な数字が明らかになったのは、
2017年、増田寛也元総務相が座長をつとめる研究会の報告でした。

テーマは所有者不明土地ではありますが、空き家は土地と一体。
この報告をきっかけに法律の改正など、持ち主不明の土地・空き家対策をめぐって、さまざまな動きが出てきました。


1. 所有者不明土地法

2018年11月に一部が施行され、19年6月に全面施行された、この法律。

正式名は「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」といいます。
土地の所有者の探索には時間と費用がかかり、その結果持ち主がわからなかった場合、利活用するための手続きには時間がかかりました。
空家特措法には危険な空き家を自治体が略式代執行により除却できる定めがありますが、自治体が費用を回収できないことが多く、
解体後の土地が空き地として残ってしまうという問題がありました。

所有者不明土地法では、持ち主不明の場合の財産管理人(不在者財産管理制度、相続財産管理制度)の申し立て権を地方自治体に与えるなど、
活用の可能性が広がりました。

19年11月には登記に関して「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律」が施行され、
登記官に調査権限が与えられ、持ち主がわかった場合は登記を改める規定が整備されました。

また、不明土地を一定の条件のもとで売却することも可能になりました。



2. 空き地対策モデル事業

2018年、国土交通省の「空き地対策モデル事業」に採択された、
千葉県八千代市の緑が丘西自治会による「新市街地・街なか未利用地活用事業」。

19年12月8日付の毎日新聞のレポート「広がる所有者不明土地」によると、持ち主不明の土地に集会所の建設を計画したものの、難航。

ネックは所有者がわかった場合の補償金として納める供託金が高額になること。
また、土地の所有者が現れた場合、更地にして返す必要があり、建物を建てるにはハードルが高いという課題が指摘されています。

法整備が進んでも、現実は厳しいという事例でしょう。


3. 持ち主不明空き家の予備軍

総務省が2018年10月時点で行った住宅・土地統計調査で、所有者を特定できた空き家約70万戸のうち、
取得した理由で最も多かったのは「相続・贈与」で、割合は52.2%と過半数を超えていました。

この数字からも推測できるように、持ち主不明の空き家の増加は「相続はしたけれど登記をしていない」ことが最大の原因です。
これに何とかブレーキをかけようとの動きもあります。

法制審議会の民法・不動産登記法部会は19年12月、所有者不明問題の解消のための制度改正・中間試案をまとめました。
骨子は「相続登記の義務付け」と「怠った場合の罰則」、そして「所有権の放棄を可能とする制度の創設」です。

いまの法律では相続登記は任意で罰則もありません。税負担や面倒な手続きを避けようと、
相続人が登記をしないケースが何代にもわたって続くと、所有者を追跡できない空き家・空き地が増えてしまいます。

試案では、相続人に一定期間内の登記を義務付け、怠れば罰金が科されます。
また、所有権の放棄を認める制度の創設では、放棄が認められると国有地になります。
複数の相続人間の協議が長引くことも多いため、制限期間を過ぎた場合は法定相続分に従って強制的に分割相続させる案も検討されています。

現在の法律では、相続時に資産より負債が大きい場合などに住宅・土地の相続放棄が可能ですが、
プラスの財産を相続してマイナスの財産だけを放棄することはできません。

また、相続放棄しても、空き家の管理責任は免れないなどの問題があります。
相続登記の制度改正は持主不明土地や空き家問題解決の一歩になるのは間違いありません。






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