なぜ海外では空き家が放置されないのか?

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海外の空き家問題に関するデータは、日本の空き家問題ほど詳細には明らかにはなっていませんが、
富士通総研のレポートによると、イギリス3~4%、ドイツ1%前後などヨーロッパの国々では
日本の13.6%(総務省調査)に比べると、格段に低く、
国土の広さと人口の関係で多いとされるアメリカでも10%前後といわれています。


1.なぜ海外では空き家率が低いのか

小林正宏氏(住宅金融支援機構)のレポート「欧米との比較における日本の住宅市場の特徴」で、
同氏は「海外との比較は、有効な示唆を与える半面、データの特性の違いに留意する必要がある」と指摘しています。

なぜ、海外では空き家率が低いのか。

その第1の理由としてあげられるのが、中古住宅の流通です。
日本では新築住宅が好まれて大量供給され、中古住宅の流通は10%半ばといわれるのに対し、
ヨーロッパなどでは住宅流通のメインは中古住宅で、70~90%にのぼるといわれます。

建築規制が厳しく、市街地とそれ以外の線引きがはっきりしているため、どこでも建てられるわけではなく、
勢い長持ちする質の高い住宅を建てるのです。

アメリカでは中古住宅を買い取ってリフォームして売るフリッパーという業者が存在して
中古住宅の流通を促す要因になっています。


2.世界の空き家対策を見てみよう

昨年、学芸出版社から出版された「世界の空き家対策~公民連携による不動産活用とエリア再生~」
(富士通総研経済研究所主席研究員・米山秀隆氏編著)は、世界の空き家対策を比較した珍しい書籍です。

アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、韓国の5カ国を専門家か実地に調査して、

➀空き家を放置しない政策
➁中古不動産の流通を促す仕組み
➂公民連携のリノベーション事業--などを紹介しています。

目次の詳細が公開されているので、これを見ると日本との空き家事情の違いの一端がわかります。
一部を紹介しましょう。

[アメリカ]
・住宅市場を支える不動産流通システム
・コミュニティ・ランド・トラスト~空き家・空き地を再生してエリアの価値を高める
・ランドバンク~未利用不動産を市場に戻す
・学ぶべき公民連携と再生不動産取引の活性化

[ドイツ]
・連邦政府の放棄不動産対策~管理不全、利用不全、エリア再生
・学ぶべき早期解決とエリアの再生

[フランス]
・住宅不足を解消する空き家対策
・学ぶべき多彩な政策と公民連携体制

[イギリス]
・強制力を伴う空き家対策
・学ぶべき行政主導の空き家管理

[韓国]
・空き家整備の事業手法を立法化
・学ぶべき空き家整備のスピード感


3. 各国の空き家事情の一端

各国の最新の空き家事情は書籍の詳細に譲るとして、その共著者が以前に発表している論文があります。
時期が少し古いのですが、各国の空き家事情の一端を見てみましょう。

「ドイツ」を担当した室田昌子・東京都立大学教授の論文「ドイツの空き家実態と空き家対策」によると、
2003年をピークにドイツでは人口減少と少子高齢化が進み、
住宅建設は1995年の55万3000棟から2008年には14万8000棟にまで激減しています。
2011年調査の空き家率は4.4%ですが、旧東独では9%と高い州もあるそうです。

また「イギリス」を担当した倉橋透・獨協大学教授は論文「イギリスにおける空き家対策」の中で、
イングランドの空き家率は2004年3.3%、2011年3.2%、同じ年の長期空き家率は1.5%から1.2%に低下、
空き家対策は住宅供給を増加させる観点から行われたと紹介しています。

さらに、「フランス」を担当した小柳春一郎・獨協大学教授によると、人口が2000年6050万人の人口が6466万に増え、
別荘を除いた空き家率は2008年に6%に低下。
1988年に創設された空き家税を2013年には強化するという、量的な住宅不足を解消する施策が実施されています。



空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。







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