【成功事例】空き家を減らす自治体の取組とは?
公開自治体の取組み例の3つ目は、京都市です。
京都市は言わずと知れた日本を代表する都市で人口約147万人を抱える政令指定都市です。
京都市は市の範囲が広く、管理が行き届いていない空き家に関して、
年間500件を超える通報があるそうで人員も時間も足りません。
そこで、空き家の現地調査や・管理不全状態の判定をするために建築士との連携、
空き家の所有者を特定するために司法書士と連携を図ることで、
指導や対策の迅速化を目指す取り組みとなっています。
1.建築士と連携した現地調査
業務委託先は京都府建築士会です。
業務を取り組むに当たり、「管理不全状態判定調査票の様式」を作成しました。
チェック方式で記入できる様式で、危険性や緊急性の有無などを記入できるように作成しました。
また、マニュアルを用いての研修を行うなど、判定の平準化も図りました。
調査に従事するためには研修会参加を必須とし、受講者は53名でした。
1件の調査は移動と調査票の作成も含めて3時間程度、
9月~2月の6か月をかけて一人当たり7~8件、
累計400件の調査・判定を行うことができています。
調査結果はデータベースに登録し、所有者等に送付する通知書を作成しました。
その内容は、所有者情報を記載したり、現地写真などを掲載したりと、
受け取った所有者がパッと見て危機意識をもってもらえるような工夫がされています。
2.司法書士と連携した所有者調査
こちらの業務委託先は京都司法書士会です。
まずは「空き家所有者等調査業務事務処理フロー」を作成し、
このフローに従って所有者調査を実施し、結果を相続関係図として作成。
度重なる相続で所有者を特定することが困難な空き家を調査する方法を検証する、という手順になっています。
空き家に対する指導は所有者全員に対して行わなければならないとされてるため、
相続時の登記がされないまま数世代経過してしまっているなど、
所有者全員の所在を調査する事が課題となっています。
京都市が所有者調査を行っている案件は420件あった中、
難航が見込まれる案件について、この事業で担当しました。
司法書士は9名で一人当たり4~5件を調査し累計44件の調査が行われました。
所有者の特定までは1件当たり平均で40日かかり、
中には3世代以上に渡る相続や結婚・離婚・養子縁組など、
戸籍の調査に膨大な時間がかかり、
委託期間内に終了することができないものもありました。
相続関係図から得られた所有者に関する情報はデータベースに登録され、
所有者等に送付する通知文書の作成に利用するとされていますが、
効率的な登録方法や、利用方法については、今後の検討課題とされているようです。
空き家は今後ますます増えていき、身近な問題となっていきます。
空き家なうでは、今後も市が行っている空き家問題の対応情報を発信していきますので、
ぜひご覧ください。
【参照サイト】
「京都市の人口」京都市統計ポータル
「専門家団体と連携した特定空家等に関する調査(別添)」京都市 都市計画局まち再生・創造推進室
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