【成功事例】空き家をコスプレ会場に?自治体の空き家対策とは?
公開国土交通省が行っている「先駆的空き家対策モデル事業」支援事業の中から、
今回取り上げるのは、鞍手町の「クリエイターのリノベーションによる空き家流通促進事業」です。
コスプレの写真が目を引くモデルケースとなっています。
鞍手町(くらてまち)は福岡県の北西部、北九州市と福岡市のほぼ中間に位置する自然豊かな町です。
人口は約16,000人 (2018年末)で、人口の推移をみると、減少傾向にあるようです。
空き家対策単独の事業と言うよりは、地方創生の流れを受けて、
空き家の有効活用による定住者の増加、活力ある地域づくりを促進することを目指しています。
現在鞍手市には廃校になった中学校を利用した大規模な撮影・イベント会場「くらて学園」があります。
毎月1回のコスプレイベントを中心として、国内はもちろん海外からも若い世代が訪れています。
1,000 人を超える来場のあるイベントもあるそうですが、町内には宿泊施設が無いというのです。
この問題を活かして、従来の空家バンクの制度と、
リノベーションプランをマッチングする仕組みを構築することで、
町への転入・流入増を目指す仕組みをつくりました。
町内には全家屋の10%が空き家となっており、
修繕することなく、利用可能な物件は233件という基礎データは既に調査済みでした。
しかし、空き家バンクを開設はしていましたが、登録に至っていないという現状がありました。
そのため、まず空き家の所有者へのアンケートを実施し、
空き家の所有者が抱えている問題を明らかにするところから始めました。
1.アンケートの実施
修繕等が必要なく、利活用が可能と判断できる空き家の所有者へのアンケートを実施しました。
結果によると、空き家管理への関心は高く、すでに賃貸や売買なども行われていることがある半面、
空き家バンクを知らないという回答が6割超えということもわかりました。
行政の取り組みを発信する方法の検討が必要ということが浮かび上がりました。
2.空家バンクパンフレット作成
この結果を受けて、 鞍手市ではパンフレットを作成しました。
ここで作成されたパンフレットは、今では事業を進めるうえでの必須アイテムとして活用されているようです。
3.マッチングサポートの構築とマニュアル作成
つぎに、クリエイターからリノベーションプランを公募して流通に載せるしくみを構築し、
そのマニュアルも作成しました。
移住を考えている希望者へは、ネット配信による公開プレゼンテーションを行ったり、
実際に鞍手町に来てもらえるよう、民泊やお試し居住ができるイベントの開催も想定しています。
4.今後の課題
マッチング事業には実施費用が問題となってきます。
イベント費用やクリエイターへの報奨金は企業からの協賛金、
空き家の改修費用は利用希望者じゃ空き家の所有者の負担と言う計画となっています。
事業実施に必要な財源は、大きな課題となっているようです。
また今後の展開として、公的団体の他、町内に工場を構える住宅設備メーカーの
タカラスタンダード株式会社との協力体制などを示しています。
官民連携で、Win-Winの関係となれるような仕組みづくりを目指している、ということです。
空き家なうでは今後もこのような活用ケースを紹介していきます。
ぜひご覧ください!
【参考サイト】
「鞍手町空家バンクについて」鞍手町
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