全国に広がる空き家問題

2015年5月26日、空き家に関する新しい法律
「空家等対策の推進に関する特別措置法」(略称・空家特措法)が施行されました。
放置された空き家が増え続け、深刻な社会問題となってきたためです。



1.増え続ける空き家の数

総務省が2014年(平成26年)7月に発表した
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、
全国の空き家は820万戸で総住宅数の13.5%。
5年前の調査に比べ、63万戸も増えており、過去最高を記録しました。

この調査は5年ごとに行われており、
昨年の調査結果は今年発表される予定ですが、
「全国の空き家数は1,000万戸を超えるのでは」と言われています。

また、野村総合研究所の調査では、
2023年の空き家は1,394万戸(総住宅数の21%)、
2033年には2,146万戸(30.2%)と予測しています。
ほぼ3件に1件が空き家になる勘定です。

2.空き家率だけではわからない都内空き家問題の深刻さ

総務省の調査で地域別の空き家率を見ると、別荘などの二次的住宅を除いた空き家率は、
山梨県が17.2%と最も高く、四国4県が16%台後半で続いています。
逆に空き家率が低いのは宮城県の9.1%で2位が沖縄県の9.8%、
次いで山形県、埼玉県、神奈川県、東京都が10%台となっています。

ただ空き家問題を考える時、空き家率だけで議論するのは適切ではありません。
首都東京の23区の空き家数は58万戸を超え、全国空き家数の7.16%も占めています。
名古屋市の3倍以上、大阪市の2倍以上です。
人口が多い、共同住宅の割合が高いなどによるものですが、
空き家問題が過疎地だけでなく全国に広がる問題と言われるようになったのは、このためです。

3.なぜ空き家が増え続けるのか?

空き家が増えるのは、ごく簡単に言えば
「住宅ストックが世帯数を上回り供給過剰になる」ためですが、
日本の場合その背景は複雑です。

一般に言われている原因としては、

 ①人口の減少
 ②超高齢化社会
 ③核家族化
 ④相続
 ⑤税制

・・などが挙げられます。
この他にも様々な理由が重なりあっています。
都市や地方によっても事情はみな異なっています。

放置された空き家は、その地域に様々な悪影響を及ぼします。
人が住まない家屋は老朽化のスピードが速く、台風などによる倒壊が心配です。
メンテナンスが不十分になり、悪臭など近隣への被害も増えています。

さらに、空き家がこのまま増え続ければ、地域ひいては都市の存続という、
もっと大きな問題に発展していくと、指摘する声もあります。

4.全国規模で対策する自治体の取り組み

空家特措法に基づいて全国の自治体は条例を制定し、空き家対策に乗り出しています。
空家特措法では、廃屋同然の物件は特定空き家とされ、
指導に従わないと税制面の優遇措置が適用されないなどの規制も盛られています。

一方、国交省は2018年4月から空き家の流通を促進するために、
Webサイト上で地域の空き家物件情報を掲載する
「全国版空き家・空き地バンク」の運用を始めました。

待ったなしの空き家問題ですが、
空き家に対する対症療法だけで解決できるものではありません。
その背景となっている、もっと大きな社会問題にも同時に目を向けていくことが求められています。

空き家なうでは、今後これらの背景を紹介していく予定です。
ぜひご覧ください!

【参考文献・参照サイト】
 「空き家問題-1000万戸の衝撃」牧野知弘著/祥伝社新書
 「平成 25 年住宅・土地統計調査(速報集計) 結果の要約」総務省
 「空家等対策の推進に関する特別措置法の概要」国土交通省
 「空家等対策の推進に関する特別措置法の概要」野村総合研究所


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