若者への就農支援が農山村でのSDGsを実現する

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現代の日本の食糧の確保は、多くが輸入農産物に支えられており、主食用穀物自給率は60%に届きません。
なぜでしょうか。


1.景観保全と防災に貢献する農山村の危機

それは、農業の担い手が高齢化していることに他なりません。

一方で、山林および農地の保水力は災害を予防し、景観の保全にも役立ちます。
このまま農地が放置され、農村の家屋が空き家となってやがて集落ごと朽ちていく姿を想像するのは寂しいものです。

青々とした水田や日光に照らされてキラキラ光る用水路、手入れのされた里山はそこに住んで生活する人々がいてこそ
持続的に存在するものです。
日本の農山村でのSDGs(持続可能な開発目標)の実現に何が必要なのか考えてみましょう。


2. 田舎に住みたい若者たち

少子高齢化だ、経済低迷だと危機感を募らせる政治家や経済界の言説は不安を煽ります。
しかし、一方で人口が減った分だけ住環境は良くなるという見方もあります。

ネット環境が充実するにつれ、窮屈な都会暮らしをしなくてもどこでも仕事ができる環境が整いつつあり、
自然環境に恵まれた農山漁村へ移住したいと考える都市在住の若者が増えているとの調査結果も公表されています。


3.新規就農者への支援

森林や緑地が豊富で、温帯性の恵まれた気候を生かして綿々と続けられてきたわが国の農業。

これを持続可能な産業として残すには、若者の就農を促し継続的に支援することが必要です。

農林水産省も青年新規就農者の確保・育成を課題と捉え、2012年度に「青年就農給付金」の支給および就農前の研修期間
(最長2年)の所得を確保するための給付金(年間150万円)の支給を開始しました。


4.農業をしたい若者を育てる教育

同じく2012年、「農業後継者の確保に関する研究―学童期の農業体験が就農に及ぼす影響―」という論文が発表されました。

意欲的な若い新規就農者を確保するためには、学童期において教育的効果のある内容の充実した農業体験が必要であるという
仮説が立てられます。

その中で、一般的な農業体験学習と、喜多方市の小学校で行われた、3年生から6年生まで、畑づくり、種まき、草取り、
収穫までを継続的に行っている農業科の取り組みを比較しています。

喜多方市の小学校で農業科を学んだ子供たちは経験豊富な農業者から指導を受け、子どもたちが多くの学びを得ている事例が紹介されています。
筆者は両者の違いを「一般の農業体験学習は、学校が指導し、学童に「させる」体験学習で、喜多方市農業科の農業体験学習は、農業者が指導し、学童が「学ぶ」体験学習であると紹介しています。
またその後の調査で、農業を職業として選んだ割合が有意に高い結果が得られたとも記しています。

自然の中で思い切り体を動かす事や、実際のモノづくりを学童期に体験することはとても大事です。
経験豊富な指導者の伴走のもとで行う農業体験は、植物を育てるための土づくりに始まり、収穫後は食育につながり、実体験に基づいた学びを得る貴重な機会となります。

この学びを通して農業が将来の職業の選択肢となり、ある一定期間の研修を経て農業経営を行う流れができれば、
よりスムースな農業の継承が可能となるでしょう。


5.新たな就農場所としての農業ビジネス

近年、小規模な個人経営の農家が離農する一方で、農業法人は増えており、今後もその需要が見込まれています。

農産物の生産を行う法人組織経営体は2000年に5,272であったものが2017年には21,800に増えています。
安全性が高く安心な原料を自社生産したい企業や、観光農園、農村レストランなどを経営する企業が増えています。

このように農産物の生産現場での求人が増えたことにより、新規雇用就農者数が増加しているのでしょう。


6.持続可能な農山村の創生と空き家問題の解消

農村地域には在来工法で建てられた立派な農家があります。

これらの広い家に若者が入居し、田畑を維持してくれることを何よりも望んでいるのは、
今現在も元気に田畑を守っているお年寄りの皆さんではないでしょうか。

自然の中で暮らすことのできる農業は、魅力ある人気職種となりつつあります。
今後はスマート農業の導入によって利便性も高まるでしょう。

子どもたちへの食と農を身近に感じる教育を通じて農業が若者に人気の魅力ある職種となり、
若者の就農によって持続的な農業の継続が期待されます。

そして、在来工法で建てられた日本家屋の保全につながり、建築技術の継承と景観保全にも貢献することになるでしょう。


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どうぞお楽しみに。







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