空き家が倒壊したら誰が責任を負う?

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空き家の倒壊によって被害が出た場合、命に関わる問題にまで発展する可能性があります。

空き家を適切に管理することは法律で定められていて、空き家の管理責任の所在についても明らかになっています。

誰がどのような責任を負うのでしょうか?

責任を取るのは原則空き家の所有者

空き家の管理責任は所有者にあり、空き家が倒壊に至らないように維持管理する責任があります。

民法717条では所有する建物について、以下のように規定されています。

「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」

空き家の管理を怠って建物が倒壊し被害が発生した場合に、空き家の所有者は損害賠償責任を負うことがあります。

空き家をきちんと管理せず放置すると、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて「特定空家等」に認定されます。

空家等対策の推進に関する特別措置法によって、所有者は空き家を適切に管理する責務を課せられています。管理を怠り続けた場合、行政代執行が行われることもあります。

空き家所有者が知っておくべき空き家倒壊を防ぐ6つの管理方法

①換気をこまめにしておく

室内の環境を維持するには換気が重要です。こまめに訪れて十分に室内を換気しましょう。

窓やドアを閉めきって空気が滞留すると、湿気がこもってカビが発生する原因となり、シロアリなどの虫も住みついてしまうと、室内の壁や床の傷みが早くなります。

②日頃から近隣住人にあいさつをしておく

すぐ近くに空き家が存在すると、近隣の住人は不安に感じることもあります。

空き家を放置しているイメージを持たれると、何か問題が起こったときに大きなトラブルに発展する可能性もあります。

空き家の管理に訪れるときは隣近所にあいさつをし、安心してもらえるようにします。

③外の清掃と破損個所がないか確認する

家の中だけでなく、外の清掃もしっかり行うことも大切です。

敷地内にゴミや落ち葉がないようにし、家の外回りに破損がないか確認しましょう。

④室内清掃をする

換気されていない室内にはホコリが溜まっています。窓を開け、きれいに清掃しましょう。

カビが発生している所を放置すると広範囲に繁殖するため、カビ取りも重要です。

掃除と同時に、各部屋のドアがきちんと開閉できるかチェックしましょう。家が傾いているとドアの建てつけが悪くなり開け閉めしづらくなります。

⑤水漏れなどがないか確認する

掃除が済んだら蛇口の確認も行いましょう。

ゴムパッキンの劣化などにより水漏れしていないか、水回りから悪臭がしないかチェックが必要です。

使っていない水道管には古い水が溜まり、サビや悪臭が発生しやすくなります。蛇口をひねって水を流し、水道管が傷むのを防ぎましょう。

⑥害虫対策や草刈りも忘れずに行う

人がいない家には害虫が入りこみ、簡単に繁殖していきます。

ゴキブリ、シロアリ、ダニといった有害な虫は近隣の家にも侵入するため、見つけたら駆除剤などを使用して対策をしましょう。

庭に生えた大量の草木は害虫の温床になりやすいため、草刈りや木の剪定を定期的に行いましょう。

空き家を管理する責任を果たせない場合は?

空き家を管理するには現地を訪問しなければなりませんが、距離が遠いなど時間や交通費の関係で難しいケースもあります。

年月が経って家の傷みが激しくなってくれば、きちんと維持管理を行っても修繕が追いつかなくなります。

自分で管理責任を果たせない場合は、空き家の管理代行サービスを利用することや、解体することも一つの方法です。

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