結露は窓ガラスだけではありません~見えない内部結露にご用心~

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冬に、すき焼きなど鍋物に舌鼓をうったあと、部屋の窓が水滴でびっしょり。

この結露。放っておくと床材が浮いてきたり、壁にカビが生えたりして、住宅を傷めます。
では、人の住んでいない空き家の場合、結露の心配はないのでしょうか。

空き家でも結露は避けられません。
むしろ人が住んでいないので、結露への対応が遅れ、逆に住宅の劣化に拍車をかける原因ともなります。
壁の内部や屋根裏、床下など目に見えないところに発生する内部結露といわれる結露もあるからです。

国土交通省の「滅失住宅の平均築後年数の国際比較」によると、日本の住宅の平均寿命は27年。
これに対してアメリカは66.6年と日本の倍以上、イギリスは80.6年と約3倍。
比較にならないほど日本の住宅の寿命は短いのです。
この主な原因が家を内側から腐らせる内部結露といわれています。


1. 結露のできるわけ?

一言で言うと、犯人は「温度差」です。
外気よりも水分の多い部屋が暖房で暖められ、外と同じくらいに温度の低い窓ガラスに触れると、
空気中に吸収されない水分が水滴になって、窓ガラスの内側に付着するのです。

科学では飽和水蒸気量といい、これをハミ出した分が水になって悪さをするわけですね。
温度差が原因ですから、窓ガラスだけでなく押し入れや家具の裏にもできます。

昔の住宅は隙間だらけなので部屋と部屋の間に温度差が生まれにくく、結露もできにくかった代わりに、
今のような暖房も普及していなかったので寒かったですね。

年代によっては古き良き思い出として持っている方が多いのではないでしょうか。


2. 結露の害

結露による害は容易に想像できますね。

まして目に見えないところにできる内部結露による害はより深刻です。
カビや害虫は住宅を傷めるだけでなく、空き家ならメンテナンスに訪れる人の健康にも悪い影響を与えます。

木材部の劣化、金属の錆びど数えあげればきりがありません。
人が住んでいても油断できないのですから、空き家となるとさらに深刻度が増します。


3. 結露と長持ち住宅

国土交通省の国土技術政策総合研究所(国総研)が産学官連携の共同研究で、
「長持ち住宅の基本は省エネと結露」というレポートをまとめています。

膨大なレポートなので、ごく一部ですが抜き出してみます。

住宅の結露や劣化を防ぐには

➀窓・ドアなど開口部の断熱性確保
➁住宅全体の断熱性確保
➂気密・通気・換気

が必要となります。

特に内部結露を防ぐ「気密」、壁の中や屋根内の湿気を排出する「通気」、屋外の空気を取り入れる「換気」は、
どれが欠けても住宅の耐久性に影響します。

これだけの条件を満たすには、新築段階か大がかりなリフォームによる対策が必要なので、
現実味がないかもしれませんが、これからの「長持ち住宅」という観点からみれば、大事な視点と言えるのではないでしょうか。


4. 目の前の結露をどうする?

現実の問題として、目の前の結露にはどんな解決策があるのでしょうか。

(1)窓に「断熱フィルム」や「結露防止シート」を貼る。100%の結露防止は無理ですが、一定の効果は期待できます。

(2)二重窓へのリフォームは、窓ガラスの結露に高い効果があります。
   室内側に内窓を増設する方法も有効で、二重窓に比べ工事の規模が小さくなる利点があります。

(3)壁の結露対策には、耐湿気用クロスに貼り替えたり、自然素材の塗り壁も効果的でしょう。

(4)築後5年以上の住宅には「24時間換気システム」の設置は義務づけられていませんが、
   温度差をなくす結露対策として設置するのも選択肢の一つです。
   また、より手軽な方法として、24時間タイマーで換気扇や扇風機を作動させる方法もあります。

(5)除湿器の設置や木炭や除湿剤を置くのも比較的手軽な結露対策になります。

解決策は大小いろいろ考えられますが、特に梅雨前、早めの対策が必要かもしれません。

 

 

空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。

 

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