相続した実家が「空き家」だった場合、どのように対処すればいいですか?後編

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実家が突然「空き家」になってしまった、空き家を相続することになってしまった、
という事例は現在増加傾向にあります。
それを受けて2015年5月に「空家等対策特別措置法」が施行され、
「特定空家等」に認定された場合はこれまでの最大6倍の固定資産税を納めることになりました。

しかし、思い出のある家をすぐに解体しようという気持ちにはなかなかなれないでしょうし、
更地にしてしまうと固定資産税の優遇措置がなくなり、
結果増税ということになりますのでわざわざ費用をかけてまで更地にするという選択を取るということも少なく、
全国に空き家は増え続けています。

もう実家は必要ない、固定資産税等のコストをかけたくない、という人は「相続放棄」をすることができます。
被相続人が亡くなったことを知ってから三か月以内に家庭裁判所へ届けを提出します。
ただし、他の遺産もすべて放棄することになりますので、例えば「預貯金だけ相続したい」ということはできません。

相続放棄をせず空き家を相続した場合は毎年、固定資産税を納めねばなりません。
基準価額は市場で取引される価格よりも低いものとなっています。
場所や広さにもよりますが、思っていたよりも金額が低い場合もあります。
それでも活用していない家にお金をかけるのはもったいないと思うのが心情です。

思い切って売却するのもいいでしょう。不動産業者に販売を委託し、売買契約が成立しましたら、
不動産業者に仲介手数料を支払います。
手数料は、物件価格の3%+6万円です。契約時の印紙料も必要です。
登録免許税(買主全額負担の場合もあります)、登記の手続き料、譲渡所得税・住民税、
国民健康保険の加入者の場合は売買金額によって保険料が増加することもあります。

空き家問題に行政も手をこまねいているだけではありません。
「空き家バンク」といったサイトを作成し、ここに登録された物件を買うことによって
リフォーム代等の助成金を提供している市町村も多いことから中古物件でも買い手がつきやすくなっています。

昨今よく目にするのがただでもいいから引き取って欲しい、という要望です。
地元密着の大手フリマサイトでも見かけます。
そして契約成立している事例もあるようです。
実際の譲渡や売買には登記の必要が生じますが、登記は自分ですることも可能で、その場合は司法書士への手数料は不要です。

もちろん、家を売ってしまわずに活用する方法もあります。一般的な貸家、シェアハウスとしての運営、また2018年に施行された「住宅宿泊事業法」にもとづいて「民泊」として行政に届出し、旅行者に部屋を貸し出せるようにすることも可能です(ただし、用途地域によっては登録不可の地域もあります)。
シェアハウスの流行や民泊制度の出現により、「家屋」の概念が変わりつつあります。
遠方の空き家を定期的に見回りしてくれるサービスもあります。
費用はかかりますが、重荷だった「空き家」が新たな活用法によりいつしか「宝」となる日が来るかもしれませんね。

【参考サイト】
相続放棄相談センター
スマイティ 不動産住宅情報サイト
民泊制度ポータルサイト

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