空き家の所有者と入居希望者をマッチング?空き家バンクとは?

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1.空き家バンクとは

「空き家バンク」は自治体が運営する空き家の仲介サービスです。
空き家所有者自らが登録した情報を、空き家利用希望者が閲覧できるよう公開しています。

性質的には不動産会社が運営する「売り物件・貸し物件の掲載サイト」と似たようなものです。
不動産会社と違うのは、営利を目的としていないところです。

運営元が自治体なので、誰もが無料で使えます。

 

2.空き家バンクの目的

現在、少子高齢化や人工流動、不動産価格下落などの影響で、物凄い勢いで空き家が増えています。
家屋は人が住まいとすぐダメになり、どんどん傷んでいきます。
傷んだ空き家がネズミの巣に担ったり、不審者が住み着いたり、放火されたり、
ひとどおりが減ることで治安自体が悪くなってしまいます。

当然、人が減ることで税収が減ることも、自治体としては見逃せない事態です。
そこで空き家を活用すればいいのにと思いますが、
実際に活用するにあたっては様々な問題が控えています。

不動産会社に仲介を依頼しても、十分に住めるきれいな空き家ならまだしも、
古くなって市場価値がない空き家では積極的には仲介に動いてくれません。
なぜなら、仲介手数料は価格に比例するため、安い物件は利益が出ないからです。

では自分で探すにも、どこに空き家があるのか?
空き家を利活用したい人はどこにいるのか?
なかなかわからないのが実情です。

そこでこれらの問題を解決するよう、「空き家バンク」で空き家の所有者と
利用者をマッチングする仕組みを自治体で用意することとなりました。

空き屋に住む人を見つけることによって、周囲の住環境を守ろうというのが
空き家バンク制度の目的です。

 ●空き家バンクの目的…
・空き家の所有者は多くの利用希望者に知ってもらう
・利用希望者は空き家を探す
・自治体は空き家の活用を促進する

3.空き家バンクの仕組み

空き家バンクは一般的な不動産仲介業者と違い、
自治体など公共団体が運営しているため、営利目的ではありません。

できることは、「空き家を借りたい、買いたい人」と
「空き家を貸したい、売りたい人」をマッチングさせるところまでです。
そこからの現地見学や契約に係る手続きなどは原則として当人同士で行うことになります。

空き家バンクには、空き家の所有者、利用希望者、自治体の三者が関わります。
加えて不動産会社が関わることもあるのですが、それは契約関係で関わってくるだけに過ぎません。
自治体としては、あくまでも空き家の所有者と利用希望者のマッチングで、
当事者間の交渉や契約には一切関与しません。
当事者を引き合わせ、後は当事者で交渉・契約してもらうスタイルです。

自治体によっては、当事者間のトラブルを未然に防ぐため、
先に不動産会社と媒介契約させてから、空き家バンクに登録している場合もあり、
運用方法は自治体によって細かく異なっています。

 ●空き家バンクの主体者と行動…
・空き家の所有者:自治体に空き家を登録
・自治体:利用希望者に空き家を紹介
・利用希望者:希望する空き家を探し自治体に利用者登録

4.空き家バンクの使い方

上記の通り、自治体によって空き家バンクの運用は異なりますが、
仕組みとしてはある程度共通していますので、大まかな手順を説明します。
空き家バンクは自治体によって運用が異なりますので、
実際に利用する際は、各空き家バンクのサイトを参考にしてください。

また、ここでの説明は所有者としての手順となりますので、
利用者側としては自治体のHPを確認してください。

(1) 空き家の登録

空き家の所有者が自治体に登録申請を行うことから始まります。
登録申請は自治体からの指示通りの必要書類があればできますが、審査があります。

 【必要書類として考えられるもの】
 ・登録申請書(自治体様式、物件情報の記入を含む場合あり)
・空き家の情報(自治体様式、登録カードとしている自治体が多い)
・同意書(自治体様式、個人情報の取り扱いや自治体の免責への同意)
・空き家の資料(図面、写真など)
・委任状(所有者が複数いる場合)
・媒介契約書(不動産会社と契約済みの場合)

(2) 自治体による審査

空き家の所有者から登録申請を受けた自治体は、提出書類を確認して空き家バンクへの登録当否を決定し、
登録でも不登録でも、その旨が空き家の所有者に通知します。
このとき、書類審査で空き家が利用可能だと判断できなければ、物件調査もされます。
書類審査や物件調査の結果、損壊が著しいなどの理由で一定水準の住環境が保てないと判断されると、
空き家バンクへの登録はされません。
登録申請すれば、すべての空き家が登録されるとは限らないので注意しましょう。

(3) 空き家情報の公開

空き家バンクに登録された物件は、自治体のホームページなどで公開されます。

(4) 利用希望者からのコンタクト

利用希望者が現れても、直ちに空き家の所有者に連絡が入ることはありません。
利用希望者は、自治体に利用者登録をしなければその地域の空き家バンクの情報を閲覧することはできません。

また、自治体からの連絡手順は自治体によって異なります。
不動産会社と媒介契約済みの物件では、掲載される物件情報にも不動産会社の連絡先があり、
自治体への利用登録をさせず不動産会社に連絡させるケースもあります。

いずれにしても、利用希望者と所有者が結びつけば、自治体の役割は終了します。

(5) 当事者間での交渉と契約

空き家バンクの目的は、空き家の所有者と利用希望者のマッチングまでですので、
交渉・契約は通常の不動産取引と同じになります。
契約行為はあくまでも当事者間の問題なので、自治体は契約に一切関与せず、
当事者が直接交渉・契約するか、不動産会社を間にはさんで交渉・契約します。

空き家バンクを経由した成約後のトラブルについても、
自治体は一切責任を負わない(事前に同意書を提出している)ため、
不動産会社の利用が条件になっていなくても、
可能な限り不動産会社を利用する方が安心でしょう。

移住者を増やしたい自治体は、空き家バンクの活用と移住促進対策として、
即効性が見込める補助金や奨励金の支給、固定資産税の減額制度などを設けています。

補助制度を大きく分けると、空き家の所有者向けと移住者向けですが、
両方をカバーする自治体もあり、その補助金額にも幅があります。
どの自治体がどのような補助制度を用意しているかは、ぜひ調べてみましょう。

5.まとめ

空き家の所有者にとって無料で告知・掲載・マッチングをしてくれる
空き家バンクは救いの神となるかもしれません。
不動産会社で断られるような物件でもなんとかなる可能性はあります。

さらに、各種補助制度を使えば、かなりのメリットを見込めます。
空き家の利活用には有効な制度ですので、うまく活用してみてください。

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