空き家の相続人がいない場合の対処法

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空き家問題は日本全国に深刻な問題として広がっています。

被相続人が亡くなると、財産は相続人へと渡る仕組みですが、もし空き家の相続人がいなかったらどうなるのでしょうか。

このような状況では、空き家の管理や所有権の処理が課題となってきます。そこで今回は、空き家の相続人がいない場合の対処法についてご紹介します。

空き家の相続人がいないケースとは?

まず、空き家の相続人がいない場合には、どのようなケースがあるのでしょうか?たとえば、以下のようなケースがあげられます。

・相続人がもともといない
もともと被相続人(亡くなった方)に子、兄弟、配偶者などの法定相続人がいない場合。法定相続人が被相続人より先に亡くなっている場合(遺言書によって財産が遺贈されている場合を除く)

・相続人全員が相続放棄をした
被相続人の相続財産に負債が多い、受け継ぎたくないなどの理由で、相続人全員が相続放棄した場合。

・相続人と連絡がつかない
相続人と連絡が取れず、行方不明の場合。失踪して7年以上経過し、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てが行われ、亡くなった者とみなされた場合。

・被相続人と内縁関係である
被相続人と生計を同じくしていたが、内縁関係であるため、法定相続人として該当しない場合。

相続人がいない場合の対処法とは?

1.相続を放棄した人へ連絡
たとえ相続放棄をしても、空き家の管理義務があるため、放棄者へ連絡を行います。
連絡が取れない、話し合いにならない場合には、被相続人の債権者や特別縁故者(内縁関係)が相続財産管理人の選任申し立てを行います。

2.相続財産管理人の選任申立てを行う
相続財産管理人とは、相続財産の管理を担当する人を指し、遺産を受け取る、財産の処分を行うといった責任があります。
相続財産管理人を決めるためには、被相続人の債権者や特別縁故者、遺贈を受けた人などが、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。
相続財産管理人になるための特別な条件はありませんが、家庭裁判所が被相続人との関係性などを考慮し、相続財産の管理人として最適な人を選びます。

3.国庫に帰属
遺言書が無い、相続人が一切いない場合、民法上、処分されなかった相続財産は国庫に帰属されます。

相続する人がいない空き家問題、適切な対処を

空き家問題はさまざまな社会問題として深刻化し、今回のような遺産相続において相続人がいないケースもそのうちの1つです。

空き家を相続する人がいない場合、上記に紹介した対処法を参考に、手続きを適切かつ円滑に進めることが重要です。

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