不動産市場に大打撃?「2020年問題」「2022年問題」「2025年問題」とは?

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空き家の供給に関わる問題で、
いくつか日本の不動産の構造に関わる背景を見ていきましょう。

今回は、不動産の2020年問題」「2022年問題」「2025年問題」です。

不動産に関わる問題として、関係者の間で
「2020年問題」「2022年問題」「2025年問題」という言葉がよく聞かれます。
この節目で、不動産の価格が大きく変わるのではと見られているのです。


1.2020年問題―オリンピック開催と住宅省エネ基準の義務化

2020年はオリンピックの開かれる年です。
不動産市場にとってはオリンピック需要はプラス材料です。
しかし、終わってからの反動減はマイナス材料です。

首都圏では、マンションの住民の高齢化やグローバル化に伴う
管理不全マンションの増加が、資産価値の低下を招くのではないかと言われています。

東京都の住宅政策審議会でも、「マンションの2020問題」として
「東京におけるマンション施策の新たな展開について」など、
根深い実態に踏み込んだ答申が出ています。

また、2020年問題で忘れてならないのは2020年からの住宅省エネ基準の義務化です。
2016年(平成28年)から段階的に施工された
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)により、
一定の規模以上の建物を対象に省エネ構造が義務化されます。

諸外国に比べて、日本の住宅の省エネ化はかなり遅れていると言われています。

法規制だけで前進するほど簡単な問題ではありませんが、
この問題に無関心のままで住宅を建てたり買ったりすると「不適格」の烙印が押され、
価値が激減してしまうという時代がすぐにもやってくるのです。


2.2022年問題―生産緑地に関わる税制優遇の期限切れ

次に2022年問題は何かというと、「生産緑地」に関するものです。

生産緑地に指定された農地は、税を優遇する代わりに
30年間営農義務が課される制度で、
その規制が2022年に期限切れを迎えるのです。

国土交通省が2015年(平成27年)に行った現況調査によると、
生産緑地は全国で13,442ヘクタール、東京には3,296ヘクタールもあります。
30年間のうちに生産緑地の所有者を巡る環境も変わっていますから、
期限切れに伴い、自治体に対して一斉に買い取り請求が出ることも予想されます。

しかし、自治体が十分に対応できるかどうかは疑問で、
買い取られない土地が大量に宅地に転用されることになると、
不動産価格の下落など、市場への影響は無視できません。


3.2025年問題―団塊の世代の後期高齢化

最後の2025年問題は、「団塊の世代」。
第1次ベビーブームといわれた1947年~1949年の3年間に生まれた
世代のことで、人口にして約800万人います。
日本の総人口の約6%に当たる人が、わずか3年の間に
ひしめいているのですから大変です。

この大集団が、東京オリンピックの年には平均健康寿命といわれる72歳前後になり、
2025年にはみな後期高齢者の仲間入りをします。
不動産市場にとっては、供給圧力予備軍と言われる存在なのです。

供給が増えれば、当然不動産価格の下落も見込まれることで、
これに空き家の戸数の上昇がともなって、空き家価格の下落が見込まれるのです。

2020年、2022年、2025年問題はもう目の前に迫っています。
そして、日本の不動産市場に長期的なスパンでも影響を与える問題でもあるのです。

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楽しみにお待ちください。

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