【成功事例】空き家の有効なリフォーム方法とは？

公開 2019年2月25日

今回は、実際に空き家をリフォームした2つの事例を紹介します。
１つめは、空き家になってしまった実家のマンションを
賃貸物件として活用するために貸出前にリフォームした例です。

１．4LDKマンションのリフォーム例

このマンションは、築年数30年、4LDK（120㎡）のマンションです。
相続したタイミングで、賃貸として貸し出すことに決まり、
立地的にはファミリー層よりも若い世代の人が好む地域にあったため、
持ち主は思い切って2つに分け、2世帯にして貸し出すことにしました。

まず、間取りが全面的に見直されました。
120㎡あった一つの住居をおよそ半分にわけ、4LDKの間取りだった住居は
1LDK×2軒分へと改修されました。

玄関を2ヵ所作り、それぞれにキッチン、リビングダイニング、トイレ、
洗面所、バス、洋室一間が設けました。

片方の部屋には流行りのウォークインクローゼットも作りました。

キッチンは片方が対面キッチンに、もう片方は対面ではありませんが
ダイニングへの動線を配慮した設計になっています。

賃貸物件によく見られがちな無機質な雰囲気にならないよう、
リビングダイニングや洋室・廊下にも杉材の無垢フローリングを採用し、
自然な温かみを感じられる空間になっています。

バスや洗面所は白を基調として清潔感を大切にしました。
設備等は主張し過ぎないシンプルなものを採用し使いやすさを第一に考えました。

収納もできるだけ広くとるよう工夫されており、ウォークインクローゼットのない住居の方にも収納部が2つ作られています。

ここまでのリノベーションで、工期は二ヵ月、費用は1,250万円、
内訳は、キッチン120万、バス100万、洗面所30万、ダイニング120万、玄関80万、廊下80万、収納60万、
その他の費用30万がそれぞれ2軒分となりました。

２．借主負担型DIYの例

賃貸物件は「原状回復」しなければならないという前提があります。
ところが昨今の空き家の増加を受けて、賃貸物件を借りた方が自分の好みや使い勝手を考えてリフォームするという「借主負担型DIY」が推奨されるようになってきました。

ただし、実際に借主負担型DIYの物件を借りたとしても、
自分の好きなようにリフォームしてもいいと言われても、
何をどうすればいいのかわからない、自分でできることなんて
せいぜい壁を貼り換えるくらいしか思いつかないと思う方が大半でしょう。

実際に、ポスターなどを作成するとあるデザイナーが、借家をオシャレにDIYした事例を紹介します。

まず、大家さんがあらかじめリフォームを行いました。
シロアリの被害があった壁を取り壊して石膏ボードを貼りました。
繊維壁だった壁は漆喰を塗って防火性を高めました。

また、風呂場の横に洗面台と洗濯機置き場を兼ねた脱衣所を作りました。
キッチンは勝手口を塞いで、冷蔵庫を置くスペースを作りました。

昔と今のライフスタイルがずいぶん変わったことがわかります。
採用される壁材の変化、室内洗濯機置き場・独立洗面台の設置、今では必要性の低下した勝手口など…。

大家さんがある程度の修繕をしてくれた上で、
借主のセンスでリフォームが施され、雰囲気がガラリと変わりました。

廊下や壁にはところどころに茶色を基調としたレンガタイルが貼られ、
ドアやドアノブもシックな色で塗り替えられています。

ステンシルシートを貼ることで鉄製のように見えるトイレのドア、
玄関の床にはマットが描かれ敷いてあるかのようです。

照明にはガラスビンをカバーに使い、あちこちに飾られた雑貨やポスターなど
アメリカンレトロな渋い雰囲気を醸し出し、
古い日本家屋であることを感じさせない異空間に生まれ変わりました。

借主負担型DIYでない物件の場合だと、
壁や床に穴を開けたりペンキを塗ることはできません。
リメイクシートを貼る場合もきれいにはがせるかどうか、
それなりに気を遣ったものです。

この例では、借り主がデザインの仕事をしていることから、
材料に関する知識や発想の豊かさ、情報収集の上手さ等、一般の人と違う点はありますが、
今後はさらにホームセンター、インターネットのサイト、
インスタグラムなどのSNSでもDIYのアイデアや施工の方法が発信され、
借主負担型DIYが一般の人にとって馴染みやすい環境となるでしょう。

アイデアによっては新築の注文住宅を超えるような楽しくオシャレな
物件が登場する可能性もあり、
より一層空き家の活用範囲が広がることが期待されます。