密かなブーム?空き家の「買取再販ビジネス」とは?
公開空き家を流動化させるビジネスがあります。
「買取再販ビジネス」です。
これまでは、都市部では新築物件との価格差があまりないため
需要が伸びなかった「買取再販ビジネス」ですが、
価格メリットの享受を得やすい地方を中心に成長しています。
なかでも、地域密着型の営業で人気を博した「有限会社山陽不動産」
(広島県福山市)や、新築物件との大きな価格差を設定して売り上げを
伸ばしている「株式会社カチタス」(群馬県桐生市)などが、
実績を伸ばしている企業として注目されています。
1.(有)山陽不動産(広島県福山市)
(有)山陽不動産(広島県福山市)は、1969年の創業以来、
2004年頃から買取再販商品の事業をスタートし、
現在は、月2~3棟ペースで販売しています。
エリアも地元の福山市だけでなく、周辺エリアに拡大しています。
価格帯は、同エリアの建売住宅が10坪2,300万~2,400万円程度という相場から、
大きく下回る1,600万~2,000万円と設定し、人気を集めています。
同事業が成功した理由の1つは、一次取得者層が無理なく安心して
購入できる価格帯の物件を提供したことにもあるようです。
買取再販商品の顧客層は、世帯年収がおおよそ350万~400万円、
6万~7万円のファミリー向け賃貸物件からの転居者が多いということです。
そこで、水回りなど不安要素を刷新したリフォーム済み戸建て住宅は、
月々のローン支払いが賃料よりも下回る設定となっているのが人気の秘訣のようです。
また、2012年には「不動産買取センター34」という専門部署を設け、
弁護士や司法書士等の専門家に相談しながら売却できる体制を築いています。
まだビジネスとして実績の少ない買取再販商品だけに、
関心のある個人や不動産企業からは多く相談を受けるということです。
こうした地道な実績が、より多くの人に買取再販ビジネスを受け入れられる
土壌となるではないでしょうか。
2.カチタス(群馬県桐生市)
全国に100以上の拠点があり、地方の中古戸建を買取再販している同社ですが、
なんといっても土地・建物込みで平均再販売価格1,300万円という
安さで販売していることが、圧倒的強さの理由となっています。
賃貸から戸建に住み替えたい若者にターゲットを絞り、
リフォームを必要な部分にだけ施すというコストカットにより、
割安な価格を実現し、2017年の戸建再販戸数は3,209戸を誇っています。
2017年4月にはニトリが約200億円で同社の株式を取得し、
持ち分法適用会社にしたことでも話題になりました。
3.賃貸物件としての活用
中古戸建住宅を、販売ではなく賃貸物件として活用する動きもあります。
所有者から安く借り、最低限の改修を施すことによって、
相場より安い価格で貸し出し起業家やアトリエ、工房などの需要を開拓している例です。
こうした不動産取引は、「廃墟不動産投資」や「古民家不動産投資」と
呼ばれることもあるということです。
「取手アート不動産」(茨城県取手市)は、芸術家や工芸家のアトリエ、
工房用の物件を仲介するほか、東京芸術大学の学生や卒業生などの
需要を開拓しているということです。
このように、これまでの画一的な新築住宅や中古販売、リフォーム賃貸ではなく、
多様なニーズに応える価格帯や利用方法の開拓によって、
中古住宅は息を吹き返すのではないでしょうか。
【参考サイト】
「地方を中心に成長『買い取り再販ビジネス』」WEDGE Insight
「地方で人気の買取再販商品」 R.E.port
「戸建買取再販戸数ランキング」iQra-channel
「中古住宅・家具セット ニトリ、改修再販大手と 200億円出資」 日本経済新聞
「買取再販型中古マンションに関する調査を実施(2016年)」矢野経済研究所
「地方で人気の買取再販商品」 R.E.port
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